« アーバンさんご臨終 | Main | フードプロセッサー »

[書評] やっぱり「普通」な社則じゃ元気が出ないぞ!

 日経BPオンラインの書評で厳しい突っ込みを受けていた、柳澤大輔氏の『この「社則」、効果あり。』。実際に手に取ってみたが、感想は評者とまったく違ったね。この評のせいで本の売上げが伸びないのであれば、なんか気の毒な話だ(コメント欄にも「買わない」とか書かれているし)。

 評者は「どうして、こんなにまで「普通に仕事をする」ことを嫌うのか。」というけど、その「普通」が指しているのは、城繁幸氏が『3年で辞めた若者はどこへ行ったか―アウトサイダーの時代』(ちくま新書)で「昭和的価値観」と呼んだ思い込みと同じような気がする。具体的には「近代工業社会のシステム化された職場」こそ理想とする考え方。この画一的な価値観から解放されないと、働く人が「幸せ」になれないというメッセージが、本書には込められていると思う。

 評者は「仕事じたいの魅力が乏しいから、変わったルールをいっぱいにして気分を高揚させようとしているのでは?」と意地悪くいうけど、そんなことはないと思う。「個性」的な社則と言ったって、よく見れば、その会社の事業や戦略自体に個性があって、その実行に必要なルールになっている。「ペット忌引」とか「デート手当」「バーゲン半休」なんかはそう。それから「サイコロ給」や「ビジネスネーム」は、事業内容とは別だけど、会社のカルチャーだとかマネジメントスタイルの個性が、十分に会社の力と言えるという点で『経営の未来』(日本経済新聞社)でハメルが書いたことに通じる。「コブシ給」なんかは、組織のコミュニケーションを活性化させる施策そのものだ。

 結局、決まったことができれば誰がやってもよい職場では、一定の誠実さは求められるにしても「地味に淡々と」(日経評者)やっていればいいし、社則にも「余計なことしたらクビだ」と書いておけば済む話。もちろん「多様化」の世の中では、そんな価値観も許容されるけど、本書は、会社と人が元気になるには「普通」(=資本主義社会の奴隷)から出た方がいいんじゃない?なんで「普通」に逃げ込むの?と言っている気がする。まあ『日経ビジネス』自体が資本家側にいるわけだけど。

(それから「参加」「参画」という要素もあるけど、それは次回で。)

 本書は、読む人の「働くことに対するパラダイム」を測定するには、適しているんじゃないかな。個人的には、上記2書とともに管理職試験の課題図書にしたらいいと思う。

« アーバンさんご臨終 | Main | フードプロセッサー »

Comments

It's in fact very complex in this busy life to listen news on TV, therefore I simply use world wide web for that purpose, and get the hottest news.

Hey! I just wanted to ask if you ever have any issues with hackers? My last blog (wordpress) was hacked and I ended up losing months of hard work due to no backup. Do you have any methods to protect against hackers?

Post a comment

(Not displayed with comment.)

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference [書評] やっぱり「普通」な社則じゃ元気が出ないぞ!:

« アーバンさんご臨終 | Main | フードプロセッサー »

amazon


October 2018
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

Recent Trackbacks

無料ブログはココログ

twitter

  • twitter